発達障害スキル

発達障害ライフスキル*認知行動療法は発達障害におすすめのカウンセリング

みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。

認知行動療法について紹介しています。

なぜ、発達障害の方へのカウンセリングに認知行動療法を取り入れているかというと、認知行動療法が有効な場合が多いからです。

認知行動療法が発達障害にぴったりはまる理由。

・身につけてしまえば、型がしっかりしてる分、パターン別に実験&効果検証できるのでコスパ良い。

・自己理解につながり、それが他者理解へとつながる。

・自分の体調管理にも役立つ。

・感情コントロールにつながる。

認知行動療法は構造化された面接になります。先の見通しがたつ、終わりまでの流れが見れる安心感がとても大きいです。

本日は、認知行動療法の認知再構成法について紹介します。

認知行動療法とは?

人は常に考えているものです。

ストレス状況と出会うと、頭の中にあれやこれやといろいろな考えが浮かびます。

そのとき、どう考えたかで、そのあとの気持ちや行動が変わってきます。

ネガティブな考えが浮かぶと、そのあとはネガティブな気持ちになりやすく、ネガティブな行動へとつながりやすくなります。

人にはそれぞれ考え方の癖があります

考え方の癖がきっかけとなり、ネガティブな影響を「気持ち」や「行動」に与えているとしたら・・・そのまま、ぐるぐるとネガティブな悪循環になっているとしたら・・・

考え方の癖が変わったら、そのあとの嫌な気持ちが小さくなったり、別の気持ちが出てくるかもしれません。

認知行動療法は、認知をまるっきし変えるのではなく、「幅広く考えられるようにする」「バランスの良い考え方」を目指すものです。

幅広く考えられるようにすることで、ネガティブな悪循環を断ち切ろうというものです。

https://発達障害支援.com/automatic-thought-cbt/

認知行動療法の基本モデル

繰り返しですが、

状況に対してどう考えたか、どう捉えたかで、そのあとの気分や行動、身体症状は変化していきます。

そこでネガティブな悪循環が出来上がっている時に、認知面(考え)か行動面のどっちかにアプローチして、悪循環を断ち切っていこうと言うのが認知行動療法です。

ちなみに行動面にアプローチするのが問題解決技法でした。

https://発達障害支援.com/problem-solving-method/

今回は認知面(考え)にアプローチする方法をお伝えします。

認知行動療法の認知再構成法とは?

ネガティブな悪循環の原因になっていそうな、認知をより適応的な認知に変えていこう、適応的な認知を増やしていこうと言うのが認知再構成法です。

今までの考え方の癖を変えていく作業なので、短時間でできたり、簡単なものではありません。簡単に変えられないからこそ、考え方の癖やそのあとのネガティブな気持ちに悩まされてきたのではないかと思います。

なかなか難しい作業にはなりますので、ここではどんな流れでやっているのかなというエッセンスを紹介していきたいと思います。

カウンセラーと一緒にワークシートを使って状況を分析したり、「考えの癖」を検討したり、「別の考え方」がないか探していきます。最近ですと、自分でできるワークブックも市販されています。

ワークを進めると、はじめは同じようなストレス状況で、今までと同じパターンの考え方が思い浮かびます。しかし、後からいろんな考えを後付けしていけるようになります。

考えがたった1つだけの時は、その考えに連動した気持ちも強くなっていたかもしれません。でも、考えが増えると連動する気持ちも増え、一つ一つの気持ちの強さが弱まります。

この作業を繰り返していくと、後付けではなく、同時にいろんな考えが出たり、初めからもっと適応的な認知が出てくるようになります。

認知再構成法についての誤解

「あなたの認知は歪んでます!」と骨盤の歪みみたいに指摘されるものではないです。

自分自身を苦しめているかもしれない認知に気づいて、自分の中で100%の確信度だった認知のパーセンテージを弱めたり、もっと自分にとって楽になる、助けとなるような認知を出していけるようにするものです。

この考え方をしていたら自分苦しいな。じゃあ、この考えに置き換えてみようか、と、考えを外側からモニターする、メタ認知です。メタできるようにするのが目標です。

色々と考えている自分を操縦している自分がいるようなイメージです。エヴァンゲリオンの操縦席にいて、自分自身を操っている。ぐるぐる思考や感情に圧倒されてコントロールできないのは初号機が暴走しているイメージでお願いします。(分かりづらかったらすみません)

自動で、今までの癖でネガティブな思考が出てきちゃうのは仕方がないです。

それをいちいち否定せず、「ネガティブな考えが湧いたけど、こんな考えもあると、他の考えも自分ひとりで出していけるのが目標です。

普段、「あ、失敗しちゃった」と友達が言ったら、「ドンマイ!ミスは誰にでもあるよ!」って声をかけたり、自分自身でも思い直すことがあると思います。

もしかしたら、他人に対しては「思い直し」の声かけが出来るのに、自分にはできないかもしれません。過去の自分は、思い直しを無意識でやっていたのに、いつからかできなくなったのかもしれません。

認知再構成法は「思い直し」「声かけ」を意識的に練習しながらやっていくスキルと考えるのも良いかもしれないです。

認知再構成法のやり方

アセスメント

まずはストレス状況や困りごと場面など、状況をしっかりと整理します。

その状況で、「どんな考え」が浮かび、「どんな気持ち」になり、「どんな行動」を取ったのか、「どんな身体症状」が出たのか紙に書いて外在化します。

外在化をすると、客観的に見やすくなります。

自動思考を選ぶ

次にネガティブな悪循環の原因となっているような、悪循環を維持しているような、自動思考を1個選びます。

自動思考を検討する

 

その自動思考を考え続けた場合のメリットは?デメリットは?

友人や家族が同じ状況で悩んで同じ自動思考を持っていたら何て声をかける?

などなど、いろいろな角度から検討します。

別の考えのネタを出す

自動思考を検討した結果をもとに、別の考えをどんどんと出していきます。

カウンセラーと一緒にこれ以上ネタがないところまで出しつくします。ブレインストーミング的にひたすら出します。バカバカしいものも、使えなそうなものなんでもありです。

出し尽くしたら精査の段階です。

使えそうなやつをつなぎ合わせたり、まとめていきます。

新しい考えをいくつか選定します。

もし、新しい考えに対して、こう考えてもいいかなって自分自身がある程度確信できれば、元の自動思考の確信度は下がります。

完全になくなりはしないです。考えが増えた分、相対的に下がります。

つまり、囚われは減ります。自動思考と関連していた気分も一緒に下がります。新しい思考とともに新しい気分も生まれます。

ネガティブな悪循環は減っていきます。

継続する

あとは継続。練習あるのみです。

今までワークシートでコツコツやっていたのは、初めての自転車で補助輪をつけていた状態です。しかし、継続して練習すると補助輪なしで操縦できます。

同じように、認知行動療法もワークシートなしで脳内で出来るようになります。

さらに自転車を練習していくと、ほとんど意識しないのでも運転できるようになります。同じように認知行動療法も自動化します。ほぼ無意識で、いろいろな考えが出てきます。

1度、自転車に乗ったくらいでスイーと運転できません。スノボも1回でうまくならないです。なんども練習していくと、あんまり苦労しなくても普通に運転できるようになります。

 

はい、今回はかなりざっくりと紹介しました。

以前勤めていたところでは10回コースでやっていました。いまは4回コースで講座をやっています。カウンセリングの場合はその方によってそれぞれです。

このブログだけでは、なかなか難しいと思いますが、どんなものなのか、参考にしていただければと思います。

 

それでは!