みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。
嫌な言葉や考え・イメージが頭にこびりついて離れないと悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。
人の脳はノンレム睡眠中以外は基本的に働いていますので、良い考えも嫌な考えも次から次へと頭に浮かんでは消えていきます。
しかし、ふと湧いた考えに注目してしまうと、それが気になり始め、頭の中にその「考え」「イメージ」が滞在する時間が長くなります。
もし、頭の中に滞在する時間がどんどん長くなり、その結果嫌な気分になってしまったり、日常生活や仕事まで影響し始めたらたまったものではありません。
そんな時は対処が必要です。
考えを押し込めるのは逆効果
嫌な考えを無理に押し込めようとしたり、忘れ去ろうとするのはあまり良い対処法ではありません。
無理に何かをすると、意識することで嫌な考えが長引いたり、押し込め続けた結果、違うところから違った形で影響が出る場合もあります。例えば、体に症状が出る場合もあります。
存在に気づきつつも、流していくのがおすすめです。
イメージ法
イメージ法で嫌な考えを流していく方法です。
基本的に「考えやイメージ」は、浮かんでは消え、浮かんでは消えていきます。
ある考えに注目すると脳内の滞在時間が増えるイメージです。注目しなければ、自然と消えていきます。この自然に消える原理を利用します。
空をイメージする
柔らかな風がなびく草原に寝っ転がり、空を眺めている自分をイメージをします。
頭の下で腕を組んだり、リラックスしたポーズです。
穏やかなゆったりした気持ちです。
雲が流れてくる
空を眺めていると、雲がふわふわと右側から左側へと流れてきます。
流れていく雲をしばらく眺めます。
呼吸に意識を向ける
次に自分の呼吸に意識を向けます。
鼻から空気を吸い込み、お腹が膨れていくのを感じます。お腹に手を当てると分かりやすいです。十分にお腹が膨れたら、口から細く長く吐き出します。お腹が凹むのを感じます。
ポイントは、吸う方ではなく、吐く方に意識を向け、吐く方をながーくします。そのまま、ゆったりとした呼吸を続けます。
雲に目を向ける
穏やかな呼吸を続けながら、空を見上げると新しい雲が流れてきます。
その雲の上に、頭にこびりついた嫌な考えやイメージが乗っかっているのをイメージします。ふわふわとした雲の上に「考え」が乗っかっています。
苦手な、嫌な、目を背けたくなる考えが乗っている雲もあります。
先ほどと同じような呼吸を続けながら、嫌な考えが乗った雲が浮かび、そのまま左側に流れ去っていくのを眺め続けます。
雲なんでそのうち自然消滅したり、視界から消えていきます。
そのまま雲を眺める
何度か同じような考えの雲が浮かんで流れていっても、同じように、特に何かをするわけではなく、流れるのを見つめ続けます。
「これはダメだ」「嫌な雲だ」とか評価したり、感想は言わない。ただ「マルマルという考えが乗った雲が流れている」と事実だけに気づき、そのまま放っておきます。
雲なんで、こっちには落ちてこないです。いずれ消えます。いずれ流れます。
難しい時は
雲に嫌な考えを乗っけて、流していく練習です。
もしうまくイメージできない時は、実際の雲を眺めながらやっても良いかもしれません。
でも、一般的な雲はとてものんびりです。嫌な考えが流れてくまで時間がかかります。
雲の動きがじれったいという場合は、バスに乗りながら、流れていく景色の屋根の上に考えを乗っけていく方法もおすすめです。考えはどんどん流れていきますので、気にとめる時間が少なくなります。
ADHD傾向もある方はバスの方が良いかもしれません。
意識を外側に広げる練習
次は、意識を外側に広げる練習です。
自分の中で考えがぐるぐるして、苦しい状況ということは、自分の意識が自分の内側に向いている状態です。自分の中にある嫌な考えに意識が向いています。
自分の外側の感覚に意識を向けることで、過度に内側に向いているところからバランスを取ることができます。
五感を使う
自分の五感(視覚、聴覚、嗅覚など)を使います。
目玉をキョロキョロと動かし、視界に何が見えるか観察します。
気になるものを3つ見つけましょう。
次は、首を左右上下に動かし、視野を広げて何が見えるか観察します。
気になるものを2つ見つましょう。
つぎに聴覚で音を聞き、嗅覚で何か匂いはするか確かめます。
何か気になるものを1つずつ見つけましょう。何も音がせず、何も匂いがしなければ、触覚を頼りにしても良いです。床の感触や風が吹いていれば肌で感じるものもあるでしょう。
五感を観察する間に「嫌な考え」の方に意識が向いても、気にせず、また五感に戻します。
意識が外側に広がり、柔軟性もアップしていきます。
本日は以上です。