発達障害情報

発達障害は遺伝?環境?

みなさん、はじめまして。こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。
今回は発達障害って遺伝か環境か問題についてお話ししたいと思います。

ねこ
ねこ
発達障害って遺伝なの?親の育て方とか環境なの?

といった質問を受けることがあります。

結論から言いますと、発達障害は多因子疾患です。環境要因と遺伝的要因とが合わさって発症する疾患のことです。
発達障害のメカニズムは解明途中ですが、脳の関係している部位は解明されつつあります。<
けっして、本人の努力不足や親の育て方、家族の接し方のせいだけではないです。生まれ持った脳の特性が原因です。しかし、環境によって二次障害は起こります
今回は遺伝や環境のお話から、脳の関係する部位、関係する日本の文化まで幅広くご紹介します。

発達障害は遺伝?環境?

発達障害は遺伝と環境が関係する多因子性疾患です。遺伝子が完全に一致する一卵性双生児の場合、二人とも発達障害をもつ確率は75〜85%と言われています。遺伝子が異なる二卵性双生児の場合は5〜10%。遺伝子のみの影響ではないことが分かります。
ちなみに、環境要因として、医薬品や金属、喫煙などの環境ホルモンも影響すると言われています。

発達障害と関係する脳の部位

ご紹介する部位の働き方と発達障害が関係すると言われています。

前頭前野

前頭前野は脳の司令塔です。
感覚、記憶(ワーキングメモリー含む)、感情、意欲、集中力、忍耐、決断など高次の精神活動を司るところです。

扁桃体

本能的な恐怖や不安、好き嫌いなど情動に関わるところです。

側頭葉

聴覚や視覚情報、記憶などと関連します。

尾状核

行動や運動の調整をする働きがあります。また、記憶(フィードバック機能)と学習とも関係します。特にADHDに関係する脳の部位と言われています。

小脳

小脳は知覚と運動機能の統合を司り、平衡・筋緊張・随意筋運動の調節などと関係します。

発達障害に神経伝達物質も関係する

自閉症スペクトラム障害はセロトニンの関与ADHDはドーパミンやノルアドレナリンの関連が報告されています。ドーパミンは多動、ノルアドレナリンは注意に関係します。

発達障害と環境要因としての日本文化

育て方と言うより、日本の伝統的な子育ても関係するかもしれないです。
日本では、子供が何かできていないくて養育者が注意をするとき、「何やってんのそんなんじゃだめでしょ」って言う怒り方は、みなさん聴き慣れていて、一般的な対応だと思います。
でも、発達障害の傾向を持った子供は、その場面で何を要求されているかを読み取ることが十分にできていない可能性があります
その場合、発達障害傾向のある子供は、また同じ間違いを繰り返す。そうすると養育者は何度注意してもうまくいかないって言う感覚を持つので、お互いに苦しくなる
子供の方はなんで怒られてるのか分からなくて、いつも叱られるって自己評価が低下して、養育者は子育てがうまくいかないって言う悩みを抱える。それで親子の関係に悪循環がってパターンもあります。
例えば、発達障害傾向の子が、近所のお姉さんに、「その帽子は変だねぇ」と言った時に「そんなこと言っちゃダメ」って親が叱った場合。子供は、自分の行動や言葉のどの部分がダメか分からない。叱られてばっかり、「ダメ」という言葉だけ残る。自己評価が低下する。
そこで、「変って言葉は相手が傷つくことがあるから、かっこいいねとか、個性的だね」って、どんな言葉の表現に変えた方がうまくいくよと具体的に注意したほうがいいと思います。
長くなってしまいましたが、発達障害は多因子疾患です。

遺伝だけではなく、さまざまな環境も影響して、本来の特性と時には二次障害も重なり、つらさは増すことがあります。

でも逆に考えると、環境から良い影響を受けることで、特性をうまく活かしたり、二次障害をなくすことが可能です。

なるべく、いろいろな情報をお伝えしていきたいと思いますので、リクエストがありましたら、ツイッターなりインスタなり教えてください。

それでは、また明日お会いしましょう。