みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。
強いストレスを感じたとき、皆さんはどうしていますか?
嫌なことを言われた、きつく怒られた、予想外のことが起きた、人生ではさまざまなストレス場面に遭遇します。
ストレスを強く感じると、驚いたり、泣きそうになったり、ムカムカしたり、強い感情も感じるかもしれません。
今回は、そんな強いストレスを感じたときの対処法をご紹介します。
強いストレスを感じたときの対処法
タイムアウト
特におすすめなのはタイムアウトです。即効性のあるテクニックです。
よく子育てなどにタイムアウト法というテクニックが出てきますが、今回は自分に対して使うタイムアウトです。
子育てで使われる「タイムアウト法」はアメリカで良くおこなわれているしつけの方法。子どもが望ましくない行動を続けた時に、タイムアウトを宣告し、それでも注意を聞き入れない時に、子供を決められた場所に一旦ひとりにします。椅子に座らせることが多いようです。倉庫とか怖いところはNG。子供の行動を中断させ、クールダウンの時間を持たせます。部屋に戻り、何が悪かったのか気持ちが落ち着いた子供と対話をして気づきを促します。
強い感情が襲ってきたとき、頭が真っ白になったとき、気持ちや考えの整理をしたいとき、タイムアウトを使います。
名前そのまま、ストレス状況で「タイム!」と言って、その場を外す(アウト)することです。スポーツの試合中の「タイム!」に似ているかもしれません。
ポイント
「どれくらいどこに行くのかを告げること」です。
それさえする余裕がないときは、あらかじめ、どうしようもないときはトイレに行くことにしているなど、自分の対処法を周囲に伝えておくのも手です。
「あらかじめタイムアウトスポットを決めておくこと」
どこが落ち着くかは人それぞれですが、トイレ、自販機、書庫、倉庫など、いても不自然ではないところ、自分にとってお気に入りのスポットなどがおすすめです。
手順
「タイムアウト」を宣言して、その場を離れてから、興奮した神経を鎮めます。
「10分ほど、席を外します」「少しトイレに行ってきます」など、自分の言いやすい表現を用意しておきましょう。
タイムアウトをしたら、自分の気持ちが落ち着くスポットに行き、呼吸法などで副交感神経を優位にして気持ちを落ち着かせます。
適度な時間で席に戻ります。
一旦その場を離れることで気持ちも切り替えられます。気持ちに振り回されて、不本意な発言や行動をする抑止効果もあります。
呼吸法
タイムアウト中も有効ですが、その場から離れられない時にも呼吸法は有効です。
下半身に重心を置き、上半身の力を抜き、腹式呼吸で、鼻から少し息を吸い、口から細く長く吐きます。吸うより吐く時間を長くし、吐く方に意識を向けます。
息が苦しいな、吸いづらいなという場合は、吐くだけでいいです。十分に吐けば、必要な空気は自動で体内に入るような仕組みになっています。
認知的コーピング
どんな状況でストレスを感じるのか、自己分析し、それに対する「認知的コーピング」を用意しておくことです。「コーピング」とは対処法です。
つまり、自分を助けてくれるような考え方のことです。
例えば、予想外のことでパニックになりやすい方は、「予想外のことも人生では必ず起こる」と紙に書いておき、日頃から眺めたり、ストレスを感じた時に眺めることで「そうだったそうだった」と冷静になれる場合があります。
「予想外なことが起きても結果的にうまく行くことがある」「予想外なことを乗り越えてこその人生だ」とか、なんでも良いです。しっくりする言葉を用意しておきます。
紙に書き出す
強い気持ちが襲ってきた時に、気持ちを押し込めようとしたり、なかったことにするのは危ないことです。なぜかというと、押しやろうとすると、また戻って来るので、感情の押し問答で多大な脳エネルギーを消費しクタクタになります。
また、無理矢理抑圧すると、体に症状が出たり、蓄積して心の病気などにつながる場合もあるかもしれません。
なるべく、自分の外にアウトプットしましょう。もしもカラオケに行けるなら大きな声で歌ってもいいと思いますが、おそらくそんな状況ではないので、紙に書くのがおすすめです。
個人的によくおすすめして、クライエントさんも「いいね!」と言うのは、鉛筆など筆圧で調整できるような筆記用具で書き殴ることです。
汚い言葉でも吐き出して、すぐにシュレッダーすればOKです。
色探し
紙なんて取り出す余裕ないときは、別のものに意識を向けることも有効です。
おすすめは、「青色のアイテム」の数を数えることです。
部屋の中に青い色のアイテムはないか、目玉をキョロキョロうごかし、青色を見つけたら数を数えてください。
違うものに意識を向けるだけで、かなり気持ちが切り替わります。
身体を動かす
体を動かせるなら、走ったり、手をしゅっしゅってやったり、ストレッチをしたりするのも有効です。
かなり、場所は限られますね。
感情を観察する
マインドフルネス的な考え方です。
自分の感情に目を向けます。「あ、自分は今、怒りを感じている」。
その怒りに対して、「これはいけない感情だ」「怒って当然!」とか価値判断はせず、怒りをそのまま認め、観察します。
「自分は怒っているんだな」とそのまま認め、「今、私は大変怒りを感じているようです」と実況中継したり、怒りの後にどんな感情が出て来るのか、どんな考えが湧いていくのか観察します。
「怒りという感情」を感じた後に、「自分はいつもダメだという考え」が湧いてきました。
「自分はいつもダメだ」という考えに対しても同様に価値判断せず、「自分はいつもダメだという考え」が湧いてきたようです。と実況中継します。
自分は実況中継をテレビの外から眺めているイメージです。
こうやって気分や思考を観察し、距離を取ります。
今回は、以上です。それでは!