みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。
本日はマインドフルネスについて紹介します。
googleなどの大企業の社員研究にマインドフルネスが使われているだとか、ジョブスとか有名な経営者はやっているだとか、「マインドフルネスは良いもの」として名前だけが有名になっているマインドフルネス。
と、名前は知っているけど、「得体が知れないもの」「やり方がよくわからない」と感じている人が多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「得体の知れない」マインドフルネスについて解説していきます。
https://発達障害支援.com/how-to-mindfulness/
Contents
マインドフルネスとは?
脳と心を休ませる技術
マインドフルネスとは、脳と心を休ませる技術です。
現代は体よりも心も疲れている時代です。いくら体を休めても心は十分に休まりません。自分の内面が休まってこそ、本当の休息になります。
体を休める方法は寝ること。心を休める方法は・・・?
マインドフルネスです。
これだけ聞くとますます怪しいし、得体の知れなさがアップしますw
マインドフルネスの脳への効果は後ほどじっくりと紹介します。簡単に言うと副交感神経を優位にして気持ちを落ち着かせたり、ストレスを軽減するだけでなく、脳に構造的な変化を与えてストレスに強い脳を作る効果があります。
doingとbeingの違い
よく結果と過程の話を聞くと思います。結果だけではなく、過程が大切だと。しかし、そう簡単に言っても、実際は結果ばかり求められてはいないでしょうか。
採用面接でも、「自分は何をやってきたのか」「自分は何ができるのか」という行動「doing」にばかり重きがおかれます。働き始めてからも「何をするのか」が問われます。そんな「doing」重視の世界では、人生を通じて何をするのかという視点で物事を考えます。
「doing」は大切です。しかし、人間には存在「being」としての要素もあります。このdoingとbeingのバランスが大切です。
マインドフルネスの世界観では、「人生に置いてどのようにあるか」の「Being」に重点を置きます。
常に何かをやり続けるのは疲れてしまいます。結果も大切だけど、過程も大切です。「自分はどのような存在なのか」「自分がどのように取り組んだのか」
そんな「being」の視点を自分の人生に組み込むために、マインドフルネスは有効です。
ちなみに、「being」どのようにありたいか、どのように取り組むかの視点は長期的なモチベーションを維持する秘訣でもあります。
いまこの瞬間に意識を向ける方法
マインドフルネスとは、いまこの瞬間に意識を向ける方法です。
なぜいまこの瞬間に目を向けるのか?
人はぐるぐると悩んでいるとき、意識が過去や未来にあります。過去や未来は、「現在」の自分がどうすることもできないものです。つまり、いくら思い悩んでも解決しないので、ぐるぐると反芻思考に陥りやすい。
この反芻思考は脳をめちゃくちゃ疲労させます。
意識をいまに戻すことで、反芻思考から脱却することができます。
マインドフルネスのエビデンスとは?科学的な根拠が示されすぎな件
エビデンスにうるさいアメリカで研究が進んでいます。
適当に抜粋すると、被験者の25%の感情的疲労が回復したり、脳の部位である内側前頭前野や後帯状皮質の活動低下したり(ぐるぐる思考が減ること)、尾状核の変化(不要な情報を除いて注意を向けることが上手になる)などの研究結果も出ています。
また、大脳皮質の厚さが増す、左海馬、後帯状皮質、小脳で灰白質の密度増加などなど脳の構造的な変化もたくさん報告されています。記憶に関する脳の部位も強化されます。
あと、脳の各部位のつながりが変化するなども報告されています。
脳の構造そのものを変える
脳の機能や構造が変わるような研究結果が出ています。
つまり、ある部位の活動が低下したり、上がったり、密度が高くなったり、大きさが変化したり、またまた各部位の連携がよくなったりなどなど。
これは脳の可塑性を証明しているようなものです。
具体的には、以下の部位の変化が認められています。
前頭前野
メタ認知に関するところ。
感覚野と島
身体感覚への気づき。前帯状皮質や島は痛みのコントロールと関係し、感覚野は身体感覚を司ります。マインドフルネスにより、前帯状皮質や島の活動が増し、感覚野の活動が低下します。つまり、痛みへの過敏さが減り、コントロールが上手になる。
海馬
灰白質の密度が増加。つまり、記憶や感情面が変化する。
扁桃体
灰白質の密度が減少。
不安などの感情やストレスと関係がある。例えば、外から強いストレスがかかると扁桃体が過剰に活動し、前頭葉が抑え込めなくなり、交感神経に作用して過呼吸などの身体症状が発生する。マインドフルネスは扁桃体の過剰な活動抑え、ストレスに過剰に反応しにくくなるし、前頭葉とのバランスの良い関係に脳を変化させる。
前帯状皮質と眼窩前頭皮質
自己や感情の調整のところ。
脳梁
左右の脳の連携の変化。
マインドフルネスの効果
マインドフルネスの効果にはどのようなものがあるのでしょうか。
ストレスに強くなる
ストレスホルモンであるコレチゾールが出にくくなります。
集中力のアップ
呼吸に意識を向けることで集中力の練習になります。
感情コントロール
感情に気づき、受け入れ、適切な距離を取る練習になります。感情に飲み込まれることが減ります。
自分にとらわれることが減る
マインドフルネスで、自分に囚われ気にしすぎてしまう時に活性化する脳の部位の活動が低下するらしいです。
マインドフルネスの起源とは?なぜ受け入れづらいのか?
マインドフルネスの起源は仏教です。欧米人が仏教瞑想から宗教性を排除して実用面を重視しアレンジしたものがマインドフルネスです。
個人的な考えですが、マインドフルネスが受け入れにくい理由は、「曖昧で実態がよく分からない」「効果が実感しづらい」「得体が知れない」「言葉で説明できない」などだと思います。
そして、仏教ルーツなのに、名前がカタカナだし。瞑想って聞くと宗教を連想して抵抗が生まれるし、などなど、受け入れにくいポイントがたくさんあると思います。
マインドフルネスを体得するために
マインドフルネスは、知識としてHOW TOですぐに実行できるものではないです。
何度も繰り返し取り組んでいく中で、自分なりの発見や気づきがあるような、体得する知恵のようなイメージです。
私自身は、インドやネパールで2ヶ月くらいほぼ毎日実践する中で、意味が分からなくて、嫌になって、瞑想の先生に「ゆりは瞑想が嫌いなのか?」とか言われ、授業をサボろうかと思いながら、もやもやしていました。
あるとき、6時間くらいバスに乗っている時に、バスの車窓から流れる景色を見て、「あ、これはマインドフルネスだ」と気づきました。これだけ読んでも意味が分からないと思うので一旦割愛します。
これからマインドフルネスの具体的なやり方を紹介していきますので、そのうちバス瞑想(私が考えたやつ)も書いてみます。
ポイントは、自分の気持ちや考えは自動で浮かび、勝手に流れていく消えていくのに気づくことや、距離を取ることです。それを体得するためのワークがいくつもあります。
それでは、今日はこれまでです。
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